まどれーぬの音楽帳

クラシック音楽(主にピアノ曲)が好きな主婦です。好きな曲、好きなピアニスト、再開したピアノレッスンのこと、コンサートの感想などを気ままに綴ります。

3/16 アレクサンドル・タロー ピアノリサイタル @銀座ヤマハホール

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✩プログラム✩

J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV 988

 

(アンコール)

ドメニコ・スカルラッティ:ソナタ ニ短調 K.141

 

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(ごめんなさい、タローさんとタローさんのファンの皆様)最初に謝っておきます。タローさんの生音を聴くのは初めてだったのですが、今回はちょっと想像と違っていて、驚きつつ、ちょっと落胆した部分があり、正直に感想を書こうか迷いましたが、記録として残しておきます。

ゴルトベルク変奏曲は私がクラシックの鍵盤楽曲ではいちばん愛する曲で、録音では大抵の演奏はわりと受け入れられるし、タローさんの演奏も特に気になるところはなかったのですが…(というか、好きだからチケットを買ったのだ^^;)

初めて接したタローさんの生ピアノの音、弾きだしてまず思ったのは「あれ、音がこもってる」です。当日、外は雨だったのでそれが関係しているのか?(いや、一流ホールだし、それはありえないか)、それとも、YAMAHAのピアノの音の個性なのか、ピアノの音に一枚紗がかかっているかのような感じ。アリアはシンプルな構成だからまだそれほど気にならないのですが、変奏が進むにつれて音の重なりが複雑になっていきます。そうなると、いかに3声をクリアに聴かせるてくれるか、というのが私の重大な関心事なのですが、音質もさることながら、タローさんはペダルを多用する方だったようで、時折3声の音の絡み具合が行方不明になってしまいました。(特に中音域と低音域の混ざりが激しかった)それぞれの声部の音量コントロールも唐突な感じが否めずで、急にバスが出張ってきたり、ソプラノが叫んだりするので、落ち着きませんでした。私にとってこの曲は、あまり余計な小細工をせずに、3人が機嫌よく、美しく歌ってくれたら充分なのだな、と改めて。

静かに弾いてくれた変奏は叙情に満ちていてとてもよかったので、全部を否定するわけではないのですが…ペダルを多用するスタイルと、YAMAHAの少しモヤがかかったような音の相性はよくないのかもしれない、と思いました。

神経質そうなオーラを漂わせながら、修行僧なような面もちでこの長大な曲を弾くタローさんを見ていて、彼に苦行をしいているような罪悪感が生まれてしまったのもちょっと辛かったです。(最近、若いエネルギーがほとばしる生演奏ばかりに触れていたせいなのかもしれませんが)

これまでこの曲の実演はシフ、セドリック・ペシャ、ジャン・ロンドー(チェンバロ)フランチェスコ・トリスターノ、を聴いたことがありますが、それぞれの奏者の曲との向き合い方が如実に表れるというか…内面が曝け出される曲だな…と改めて思いました。(内面、というか、力量、と言い換えてしまうとあまりにも辛すぎますでしょうか…)

 

ゴルトベルクが終わり、このままではちょっとやり切れないな…と思っていたのですが、アンコールのスカルラッティK.141の躍動感にやっと救われました。スカルラッティのギャラントな感じにはペダルを思いっきり踏んでじゃらーんという雰囲気の音はよく合っていたと思います。タローさんもやっと力が抜けてリラックスしているのがわかって、ああ、本編もこれくらい気楽に弾いてほしかったな…と。

身も蓋もない感想になってしまいましたが、別のピアノ、別のプログラムならもっと違う感想を持ったかもしれないし(それとも、タローさんはYAMAHAユーザーなのでしょうか?詳しくなくてすいません)、再聴する機会があることを願っています。

 

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3/3 藤田真央ピアノリサイタル@東京女子大学 講堂

(少し前のコンサートですが、忙しさにかまけてるうちに時が過ぎてしまいました。今更ながら感想をアップします^^;)

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 東京女子大学創立100周年記念のチャリティコンサートだそうで、主催は東京女子大学の同窓会。藤田真央君はTwitterのTLで知ったピアニストなのですが、1998年生まれということでまだ20歳(19歳?)という若さ。実はわたし、この方の演奏は去年の6月にベーゼンドルファーサロンの無料コンサートで拝聴したのですが、そのときはいまいちピンとこず…(ちなみにこれ→東京音楽大学プロデュース ランチタイムコンサートVol.51 « ベーゼンドルファー・ジャパン)ベーゼンドルファーの音色とその時の曲目の相性がいまいちに感じたのと、小さいサロンで聴くには彼のピアノはダイナミックすぎたのかなと^^; その後8月のクララ・ハスキル国際ピアノコンクールで優勝され、Twitterでも相変わらず大絶賛されている彼、やっぱりいつかちゃんとした形で再聴できれば、と思っていたのでこの機会を逃さず聴くことに。

 

✩プログラム✩

モーツァルト:ピアノソナタ 第8番 K.310
ショパン:ポロネーズ 第6番 変イ長調「英雄」Op.53
リスト:ハンガリー狂詩曲 第2番 嬰ハ短調

(休憩)

ショパン:アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズOp.22

ショパン:ピアノソナタ 第3番 ロ短調 Op.58

 

<アンコール>

ショパン:マズルカ33-4

モーツァルト:トルコ行進曲(ヴォロドス編)

ムソルグスキー:「展覧会の絵」から キエフの大門

 

 事前に確定していた曲目は「英雄」と「ハンガリー狂詩曲」だけだったので、当日の会場で、モーツァルトのK310がプログラムが入っていると知り狂喜しましたよ^^(この短調のソナタを実演で聴くのは初めてかも!)

 

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モーツァルト

 最初のフレーズでノックアウト…美しい、まさに玉を転がすような、これぞモーツァルト、という音。8番のこのソナタは前のめり気味に弾く人もいるんですが、この方はどこまでも端正で丁寧な演奏。音の粒の揃い方だけで背筋がゾクゾクしてしまいました…2楽章の情感を込めた表現、3楽章の音色の使い分け方にも、これは「本物だ」と確信。この曲だけで、前回、いまいち…とか思ってしまって大変申し訳のうございました…と地面にひれ伏したくなりました 笑 

 

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ショパンとリスト

ショパンの「英雄」、やはり音が美しく、難曲だということを全く感じさせない安定感と余裕。複雑な和音の合間にふっと出てくる柔らかい音に何度も耳を澄ませたくなりました。「ハンガリー狂詩曲」は正直に、それほど得意な曲ではないのですが、歌わせ方が自然で、特に高音域での弱音の美しさが素晴らしかった。(高音がキンキンうるさいピアノは本当に苦手なのです^^;)

「アンダンテスピアナート…」ではポロネーズのリズム感と軽々と歌う右手に何度もはっとなり(簡単そうに弾いてるけどめちゃ難しいんだよね?)「ピアノソナタ3番」の4楽章では左手のなんともいえないドライブ感に心地よく身を委ねることができました。

アンコールでは、マズルカの叙情性と、超絶トルコ行進曲のギャップにびっくり。どんな技巧曲でも音の美しさは変わらず。脱帽。

 

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 雑感

音の綺麗さ、音の積み上げ方の丁寧さ、そしてあまりに自然なので、本能でやってるのかな?と思わせる音色の絶妙なトーンの変化…すべてが桁外れの才能、だと感じました。故中村紘子さんが彼を絶賛した理由ももちろん分かるし、特に彼女は若い才能を好んでいた、というのも分かる気がしました。この年齢で、単に弾けるとか上手い、という次元よりはるか先を歩んでいる演奏を目の当たりにすると、持って生まれた才能の量の違いを意識せざるを得ないなと…(残酷な話ですが)。正直に、この方の演奏ならどんな曲でも聴いてみたい、と思わされてしまいました。

今日のピアノはスタインウェイで、ホールの音の広がり方も素晴らしく、前から2列目でしたがffになってもピアノが煩い、と感じることは全くありませんでした。前回とまるで違う印象の音だったのはピアノの種類ももちろんですが、どんなホールで聴くかにもよるな…と自分で新たなこだわり?を見つけてしまったようでぞっとしてしまったのです^^;

蛇足ですが、藤田君のキャラクターもいいですよね。ニコニコと、まるで福の神のようなオーラを漂わせながら舞台上に登場するのですが、ピアノを弾き出すと別人のようになるのが面白いなと。

最新インタビューがなかなか面白かったので貼っておきます。↓

www.hcf.or.jp

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↑会場となった講堂。

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↑園遊会…?(同行したOGの義母に訊ねたら、茶話会的なものらしい)

 

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3/13 第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクール公式記者会見@トッパンホール

f:id:madeleine-piano:20180316164214j:plainアナウンスがあった時から興味津々だった、今年の9月にポーランドで開催される「第1回ピリオド楽器ショパン国際コンクール」。その公式記者会見が3/13にトッパンホールで開かれ、一般も聴講可とのことで、聞きに行ってきました。ポーランドから遠く離れた極東の地(!)で公式記者会見をやって下さるとは、何やら、熱の入り方がすごい…と驚いたのですが、コンクールの紹介だけにとどまらず、ピリオド楽器の演奏レクチャー等を含む、大変充実した内容の会見でした。拙い文章ではありますが、ここで内容をご紹介したいと思います。

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↑舞台上に並ぶピアノ、左からErard 1845,真ん中奥はSteinway,右はPleyel1848

 

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第1部 記者会見とダン・タイソン氏によるプレゼンテーション

記者会見

記者会見はヤツェク・イズィドルチク駐日ポーランド大使のご挨拶からスタート。その後、国立ショパン研究所(以下NIFC)マチェイ・ヤニツキ副所長とヨアンナ・ボクシチャニンさんより、NIFCと2つのショパンコンクールについての紹介がありました。NIFCは、ショパンの曲、楽譜など、ショパンの遺産を管理するために2001年に開設された機関で、1927年に始まったショパン国際ピアノコンクール(いわゆるショパコン、ですね)は2010年よりこちらの機関が運営しています。次回のショパンコンは2020年に開催予定で、チケットは2019年10月1日~発売します(ので、皆さん来てね!)、という簡単な告知の後、いよいよピリオド楽器コンクールのお話へ。まず、コンクール開催の主旨の説明がなされたのですが、これが興味深いものでした。

 

マチェイ・ヤニツキ副所長:NIFCはショパンをピリオド楽器で演奏することを最重要視しています。その目的は、ピリオド楽器の魅力を知って頂くというより、知られざるショパンの魅力を知って頂くためにあります。ピリオド楽器による演奏は私たちの感受性を開かせ、またモダン楽器の演奏を補完する…いわば相互的な関係があります。ショパンの音楽はピリオド楽器と切っても切り離せない深い関わりがあり、そこには真実のショパンの姿(Real Chopin)があり、モダン楽器によるショパンは別のショパンであるとさえ言えます。ショパンはサロンにおいて親密な雰囲気で演奏することを大切にしており、当時の批評家は「ショパンの音楽を聴くことは、私たちの耳に顕微鏡をつけることである」と言っていました。私たちはピリオド楽器の収集につとめ、「ショパンと彼のヨーロッパ音楽祭(Festival Chopin and his Europe)」では古楽器によるオーケストラにショパンのみならず、同時代の作曲家の曲の演奏をしてもらったり、”The Real Choin"というCDのレーベルを立ち上げ、ショパンの全作品をピリオド楽器の演奏で録音をしております。このような活動を背景に、今回、ピリオド楽器ショパンコンクールを開催する運びとなりました。

 

私自身はピリオド楽器によるショパン演奏はかなり好意的に捉えていましたが、一般的にはマイナーだし、ピアノ好きな方でも「ピリオド楽器はあんまり…」と思う方の存在も理解しているので、このコンクールはどうなのだろう?と実は思っていたのですよね。でも、NIFCの方々の並々ならぬ熱意に俄然期待が高まりました。(ここまで古楽器推しの活動をされてるとは、知らなかったというのもあり。)

この後、コンクールに付随して8/10~15に現地で開催されるワークショップの紹介、コンクールの参加規定や、スケジュールなどの実務的な説明がありました。コンクール参加者向けの情報が主でしたが、ピアノファン向けにも気になる情報をかいつまんで記しておきます。

 

<第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクール>

開催期間 2018年 9月2日~14日

9/2、3 オープニングコンサート

9/4~ <第1次予選> 課題曲 J.S.Bach 平均律、ショパンの初期のポロネーズ、ショパンと同時代の曲、ショパンエチュード、ショパンのバラードor 舟歌

    <第2次予選> 課題曲 マズルカ、ポロネーズ(2次予選よりネット配信開始)

9/13 <本選> 課題曲 ショパンのピアノ協奏曲1番or2番

9/14 ガラ・コンサート

チケット発売:2018年5月15日~

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ダン・タイソン氏によるピリオド楽器 プレゼンテーション

コンクールの審査員を勤められる ダン・タイ・ソン氏が舞台に登場し、ピリオド楽器のプレゼンテーションへ。舞台上には2台のピリオドピアノ(エラールとプレイエル)と、1台のスタインウェイが並べられています。

ダン・タイ・ソン:今日はピリオド楽器の素晴らしさを知って頂くというよりも、モダンピアノとの違いを知って頂きたいと思っています。モダンとピリオドの違いはまずその演奏方法にあります。モダンピアノは全身を使って演奏しますが、ピリオドピアノはとりわけ指先に神経を集中させます。私はワルシャワで初めてピリオドピアノで演奏をしたとき、ピアノであってピアノでない、未知の感覚に興奮を覚えました。

ショパンの時代はピアノはサロンや、小さいホールで演奏されており、それらの場所にはタッチが柔らかく繊細(Frgile)なピリオドピアノは適していました。時代が進むにつれ、コンサートホールは巨大化し、ピアノもブライトで大きな音が出る、パワフルなものが求められるようになりました。

ピリオドピアノの音の特徴はあたかく、親密であり、モダンピアノをフルボイスで歌うオペラ歌手に例えるなら、ピリオドピアノは歌曲を歌うリート歌手、に例えられます。後者は声のパワーで聴かせるのではなく、歌詞を伝えます。モダンピアノは「歌い」、ピリオドピアノは「語る」のです

 

なんて含蓄のあるお言葉!この後、ソン氏は「別れのワルツ」「夜想曲」(番号失念)の数小節をモダンとピリオドでそれぞれ演奏して下さいました。モダンでの演奏は「お馴染みの」という感じで、ペダルの余韻が残るロマンチックな響き。それに対してピリオドピアノの演奏は音の減衰が早く、音がもっさりしない(歯切れがよい)感じで、確かに、「語る」という言葉がしっくりきます。

 

ダン・タイ・ソン:ピリオドピアノでは音がくっきり聴こえ、語る(Speak)の意味がお分かりなったかと思います。モダンピアノではペダルの踏み替えが必要な箇所でも、ピリオドピアノならこのように1ペダルで弾ききることができます。ピリオドピアノの演奏で真実のショパンの響きを知ることは、モダンピアノの演奏をする上でも役立つことと思います。

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第2部:小倉喜久子さんによるピリオドピアノのレクチャー

休憩を挟んで午後にはフォルテピアノ奏者、小倉喜久子さんによるレクチャーが行われました。ピリオドピアノの特徴や、ショパンがその特徴をどのように作曲に生かしたか、等の大変興味深いお話を伺いました。

エラールとプレイエルの違い

小倉:ショパンはよほど調子が良いときでないとプレイエルを弾きたがらなかったと言われており、それは2つのピアノのアクションの違いによるものでした。エラールは現代のグランドピアノと同じ、ダブルエスケープメントと呼ばれるアクションを採用しており、鍵盤を上まで戻さなくても連打が可能、よってどんな時でも良い音を出すことができました。それに対し、プレイエルはシングルエスケープメントと呼ばれるアクションで、鍵盤を上まで戻さないと次の音を打鍵できず、よりデリケートな操作が必要になりました。繊細なタッチを伝えるためには、指と鍵盤が密接でないといけません。

説明されながら、エラールとプレイエルを弾き比べて下さる小倉先生。耳を澄ませて聴くと、プレイエルの方がエラールより音がか細く、現代のアップライトピアノに近い雰囲気の音がします。

 

楽器の特性とショパンの作曲技法

小倉:ショパンの作曲技法には不均等さ、という言葉がキーになります。まず、ショパンは指の不均等を作曲に生かしたと言われてますが、同時に音色の不均等も作曲に生かされました。モダンピアノはどの音域でも音色が同じで均等なのですが、ピリオドピアノは高音域に行くほど、痩せて華奢な音色(不均等)になります。ショパンの曲には高音域の細かい音の並びがよく登場しますが、モダンピアノで弾くとキラキラを通り越してギラギラとなってしまう、ちょっと悪趣味になってしまうような音も、ピリオドピアノではそのようなことにはなりません。

ショパンに出てくる高音の装飾のような複雑な旋律、私はピアニストによりけりですが時に耳障りに感じていたので、大きく頷いてしまいました。痩せた音で高音を弾いたときに貧弱に聴こえないようにショパンが曲作りに施した工夫…あの音の並びは、華奢な音色のピリオドピアノで弾くからこそ、魅力的に響くのですよね。

 

楽器の特性を踏まえた上での奏法

小倉:ピリオド楽器は繊細な楽器で、ペダルのアクションもモダンピアノとは異なり、強く踏むと壊れてしまいます。ショパンは弟子たちに「腕が宙に浮くように(腕の重みをかけずに)、ピアニシモで弾く練習をしなさい」と言っていました。また、ショパンは大きいホールでオーケストラと演奏することを好まず(自分のピアノの音が聴こえないいから)、弟子たちが鍵盤を強く叩くと「犬の遠吠えのようなフォルテだ」とたしなめたと言われています。モダンピアノで弾くときには、ショパンのアドバイスはあまり役立たないかもしれません。現代のピアノができることはできない、と捉えるのではなく、現代のピアノとは異なる繊細なタッチが要求されるものだと考えて下さい。

 

ノクターン2番(Op9-2)のエキエル版(ナショナル・エディション版)

小倉:ショパンは即興演奏の名手であり、エキエル版には、ショパンが弟子のために即興部分を楽譜に書き込んだものがそのまま収録されています。この即興(バリアント)なんですが、音の余韻の長い現代のピアノではやりたくならないんじゃないかと思います。例として、ノクターンのOp9-2なんですが、32小節目以降、ワンペダルで細かい音を沢山弾くようになっています。これを音の減衰が早いプレイエルで弾くと、どうなるでしょうか?

 

そう前置きされた上で、小倉先生がプレイエルでノクターン2番のエキエル版を弾いて下さったのですが、耳慣れたノクターンとは全く違う印象を受けました。もともと、ショパンのノクターン2番は高音にちゃらちゃら(キラキラ?)した装飾が入ってますが、それがもっとずっと派手になっています。でも、プレイエルの、ペダルを使用していても決して濁らない、乾いた音で弾かれると、それが全くうっとおしくなく、上品なレース飾りのように可憐に響きます。当時のショパンがサロンの親密な雰囲気の中で演奏し、ご婦人がたが耳を傾けた光景が目に浮かびました。

 

ピリオドピアノの試弾

 ピリオドピアノの試弾をされたい方はどうぞ前の方へ、ということで、10名余りの方々が舞台上へ上がられました。終了までの時間があと20分くらいだったため、一人2分くらいでお願いします、みたいな告知をされていた模様。え、私…?興味はあったのですが、遠慮しましたよ…いや、だって、真面目にコンクール出場をお考えの方もいらっしゃってるかもしれない横で、完全な素人の私が弾くのはどう考えても申し訳ない…実際、音大生らしい若いお嬢さんやピアノの先生らしき方、さらに、某若手ピアニストの方2名(お顔で分かってしまいました^^;)が試し弾きされていました。みなさん弾かれてる曲はもちろんショパン、ショパン!エチュード10-1、バラード1番やワルツ、アンダンテスピアナート、などなど、数小節弾かれてるだけでも「お上手!」というのがよく分かる腕前の方ばかりで、耳の保養をさせて頂きました^^

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↑こちらはエラール。内部を見ると、あまり金属が使われてないのが分かります。

感想まとめ~真実のショパン、とは~

ショパン研究所の方のお話や、ダン・タイソン氏、小倉喜久子さん、両者による実演を交えたレクチャーは、限られた時間の中でピリオドピアノによるショパン演奏の魅力を充分に伝えてくれたと思います。スタインウェイとエラール、プレイエルをホールという贅沢な空間の中で同時に聴き比べる機会はあまりないですし、同じ条件で演奏されたピリオドピアノが、モダンピアノに聴き劣りすることは決してないことが分かりました。

ブリリアントで豊かな音色の余韻が続くスタインウェイ、はきはきとしているが繊細な音色がすぐ減衰するプレイエル…どちらを好むのかというのは人それぞれだとは思いますが、私はやはり、後者の方が「素朴な上品さのある音色がショパンの音楽に心地よくフィットしている」と感じました。

あまり言うと角が経ちますが、正直、これまで私が耳にしてきた数多のモダンピアノによるショパン演奏で植えつけられたイメージとは、「大きなホールを派手な技巧で圧倒する、または過剰にロマンチックで甘ったるい」というものでした。(そのイメージの根幹に、パワフルなモダンピアノの音色があったことは間違いありません)それらの演奏と、小さなサロンで親しい友人達を前に親密な演奏をすることを好んだショパンの実像がいまいち結びつかなかったのですが、ピリオドピアノの実演に接することで謎が解けた、という感じです。

とはいえ、先に記したように、ショパン研究所の方や、ダン・タイソン氏は何もモダンピアノの演奏を目の敵にしているわけではなく…(笑)「ピリオドピアノのショパンの魅力を知ることはモダンピアノの演奏をする際の手助けになる」との言葉通り、今回のコンクール開催がピリオド楽器による演奏の普及を目指しつつも、モダンピアノの演奏と共に相互発展をしていきたい、という願いがこめられているのは明らかでした。

少し前から、バッハを含む古楽のピリオド演奏が一般的になりつつも、モダン楽器の演奏と共存しているように、ショパンの演奏もそんな形で両者が当たり前のように共存していくようになれば面白いな…なんて思ったのでした。

というわけで、コンクールの成功を心よりお祈りいたします!

 

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↑国立ショパン研究所の皆様とダン・タイソン氏。ありがとうございました。

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 ↑資料がこんな素敵なファイルに入ってましたのよ!

 

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3/7のレッスン〜 モシュコフスキー、バッハ、シューマン、ショパン、フィールド

以前、「イタリア協奏曲」のレッスンが終了したときに、「6月に発表会に出てみませんか?」と言われたことを書きました。→ 1/31のレッスン〜 モシュコフスキー、バッハ、シューマン - まどれーぬの音楽帳

あの話、決して忘れてたわけではなく、事情があって決断を先延ばしにしてました 笑。というのも…あのお話の後、イタリア協奏曲、せっかく頑張ったし披露してみる?でも、人前で弾くのは本当に緊張するので苦手だし…(もし出るとしたら、人前でちゃんと弾くのは25年ぶりになるのです!)と悶々とすること数日。その後、先生から「曲は一人3分以内で、という決まりがあるみたいで。すいません、どうされますか?」(私の先生は発表会の主催者ではない)というお話があり、ますます頭を抱えてしまいました。

「イタリア協奏曲」は単独楽章を抜粋して弾いたとしてもゆうに3分は超えてしまうので、出るならもっと短い、別の曲でないと…でも、今レッスンで見てもらってる曲の中に「発表会にふさわしい感じ」かつ「3分以内」の曲はない。今から新しい曲を探して練習を始めても間に合わない、ということで、また悩む。(そもそも、イタリア協奏曲に区切りをつける、という当初の目的はどこへ…?なんですが)

せっかくの機会なので、人前演奏の経験を積むため!と割り切って、過去に仕上げた曲を弾いてもいいかも?と思い直し、3分以内、かつ、発表会らしい雰囲気の曲を探したら、ありました。ジョン・フィールドの「ノクターン5番」です。(ちなみに、レッスンして頂いたのは前の先生のときで、去年の8月)

先週のレッスンでその旨を先生に伝えたら、先生はフィールドをご存知無かったので、とりあえず今日のレッスンで私の演奏を聴いていただくことに。(先生のおメガネ?にかなったら、その曲で発表会に出ます、と宣言するつもり)ノクターン5番、仕上げて以来、ほとんど弾いてなかったので慌てて練習。あまりに弾けなくなっていて自分でもビックリしたのですが…なんとか掘り起こせたのでホッとしつつ、レッスンへ。(前置きが長い) 

 

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モシュコフスキー/20の小練習曲集より5番

「目標」

左手の音の粒立ちをよくさせられるようにする→少しマシになったか。

テンポを110くらいまであげられるようにする→ギリギリで108ぐらい。

 

左手 、もう少しはっきり弾けるといいですね、とまたしても言われる。ト短調に転調する部分で、音色を短調に合うように変化させましょう、ということで、指を少し寝かせて弾いて打鍵のスピードを緩める→音を柔らかくする、という方法を教えて頂きました。そのやり方で一回弾いて、効果を実感!音の粒立ちはまだ課題が残りますが、一応合格になりました。

 

<次回までの目標>

 次の曲、6番を譜読み、両手で弾けるように。

 

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バッハ/シンフォニア5番

目標「装飾音をつけて弾けるようにする!」→クォリティはともかく、一応できた。

 

 ・装飾音を入れたことによって右手に余裕がなくなり、本来聴こえるべきソプラノが聴こえにくくなってしまっている(アルトがうるさい)。右手の小指を際立たせ、親指は静かに弾けるように手のエネルギーのバランス配分を考えましょうーと言われる。前にやった曲と全く同じことを言われている^^; 薬指、小指でメロディを弾くのは本当に苦手。

その場でゆっくりテンポで耳を澄ませつつ、右手に細心の注意を払って弾いて、やっとソプラノが聴こえてきたかなーという感じ。小指側に少し重みをかけるような感じで弾くとやりやすいみたいです。ソプラノとアルトを右手と左手で弾いてみて、ちょうどよい音量バランスを見つける→それを右手だけで再現、という練習方法もすすめて頂きました。

一人で黙々と練習していると、とかく音符を並べることだけに集中してしまい、声部の音量バランスまで気が回らないのですが、弾くのと同じくらい聴くことが重要、なのですよね。

 

 <次回までの目標>

・右手、ソプラノを綺麗に響かせられるようにする。

 

シューマン /子供の情景より「木馬の騎士」 「むきになって」

「目標」

・左手、肩と肩甲骨の動きを意識して弾く練習→練習はしたが形になってるかは謎。

・引き続き、音量コントロール→できた…かな。

・次の曲「むきになって」両手合わせて弾くところまで→達成できず。片手ずつでは大丈夫だけど、両手ではへろへろ。

 

 「木馬の騎士」

 先生「すごく良くなりましたよー^^」ということで、めでたく合格になりました!左肩の動きも少しはよくなったみたいです。「欲を言えば、左手の小指がもう少し曲がって、筋がくっきり出るような手の形にできるともっとよいですねー」と。言われてみると、私の左手の小指はふにゃんとして寝てる…こういうのもモシュコフスキーで鍛えていきましょう!ということでした。(モシュコフスキーに期待がかかってるなー^^;)

 

「むきになって」

つっかえつっかえながらも両手で弾く。この曲は臨時記号が多く、音も覚えづらく、練習があまりはかどらなかった…というのは完全な言い訳なのですが^^; 先生の前でたどたどしく弾きながら、心の中で発狂しそうになりました…(プロの演奏を聴いてる分にはこの上なく綺麗な曲なんですが)

・私「左手の音がとにかく覚えにくくて…」先生「まずは和音の塊で弾いてみると覚えやすいと思いますよ」

・8分音符(フェルマータ)16分休符 16分音符、という音の並びのところ、ペダルを踏みながらフェルマータに突入したあと、休符に行くまえにちゃんとペダルを切りましょう。私の弾き方は、休符中もペダルを踏みっぱなしだったみたいで…こういう細かい所、気をつけねば。

 

<次回までの目標>

 両手でスムーズに弾けるようにすること!ただそれだけ 笑

 

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ショパン/ノクターン 15番

「目標」

・中盤、左手をしつこく練習する。→自分では納得いくまで練習した。

・肩と肩甲骨の動きを意識して弾く練習をする。 →あまりできなかった。

 

先生「中盤~後半にかけて、以前よりとても良くなりましたねー^^」と。少しは左手をしつこく練習した甲斐があったのかな…と。

・中盤の左手、良くなったけれど、欲を言えばもう少しクレッシェンドしたときに音量が欲しい。(今の時点ではまだ右手のテンションに乗り切れてない)手首だけでなく、肘をもっと使って!もっと左手だけの練習をしましょう~!とまたも先生に言われる。

・最後の右手のアルペジオのところ、キラキラした音色で!

 

呼吸の仕方はだいぶ良くなったようなので、音量コントロールと音色作りが課題のようです。

 

<次回までの目標>

・引き続き、中盤、左手のみ練習する。音量を出せるように。

 

フィールド/ノクターン5番

一度仕上げた曲なので、気楽な感じで弾きます。先生の第一声「うーん、夜想曲ならショパンの方がいいですね 笑」私「え!だ、だめですか?」先生「ダメじゃないんですが…印象が薄いというか… パンチがない 笑」私の先生はユーモアを交えつつ、ハッキリと意見を言って下さるのがありがたい。「確かに、ショパンの夜想曲には聞き劣りするかもしれませんが、この素朴な感じが大好きなのですよ!」と力説するワタシ 笑 なんとか先生にも分かって頂けたようです。それならば、ということで…
・全体的に盛り上がりがなく平板な感じに聴こえるので、「ここを聴かせたいんだ!」って部分を見つけて、もっと主張させる。自分が外国人になって自己主張するつもりで!(今の私の演奏はいかにも日本人という感じ、だそうな^^;)
・左手の伴奏が煩くて右手のメロディが聴こえにくいので、もっと静かに。
・ペダルを踏みすぎて音が濁って聴こえるので、踏み替えをもっと素早く。

 聴かせどころ…確かに、ショパンと違ってぐわーっと盛り上がる部分がこの曲にはないので、難しい。「中盤の繰り返しの部分に変化をつけるといいかも?」のヒントとともに「まどれーぬさんが考える、もっと濃い表現を聴かせてください!おかしかったら指摘するので^^」と心強い?お言葉を先生に頂いたので、表現を研究してみようと思います。ということで、「発表会にはこの曲で出ます」と宣言してしまいましたよ!何度も言うけど、25年ぶりの発表会…もう後には退けない(*゚▽゚*)

 

 <次回までの目標>

・濃い表現をつける(漠然としてるな…)

 

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レッスン時間1時間の中で5曲やるのはけっこう大変です。( しかもノクターンが2曲も)今日は時間を少しオーバーしてしまいましたが、来週からはどうしよう^^;モシュコフスキーは必ずやりたいし、でもバッハもシューマンも中断したくないなーと。考えどころですね。

 

 

  

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2/28のレッスン〜 モシュコフスキー、バッハ、シューマン、ショパン

 

2月最後のレッスンでした。「2月は”逃げる”」なんて、言うのは誰?本当にあっという間…年が明けてからもう2ヶ月が経ってしまったなんて信じられない。

前回、えらそうに 勇ましく「漠然と頑張るのではなく、次回までのレッスンの目標を設定する」 と宣言しましたが、さて、目標は達成できたのでしょうか…

前回のレッスン記録はこちら↓

www.madeleine-piano.com

 

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モシュコフスキー/20の小練習曲集より5番

目標「音をさらって、なるべくミスタッチなく弾けるようにしておく」

これは8割くらい出来ていたように思います。その代わり、テンポは速度表記よりだいぶゆっくりでしたが…(音をきちんと鳴らすことにこだわって練習したので、テンポを上げようとは思わなかった)

・左手の音がもわもわしているので、もっとはっきり発音させる。指の付け根、第一関節あたりの筋肉をもっと使って!と先生に言われたのですが、私はそこ、筋肉ありません…(泣)気長に鍛えよう。

・右手のフレージングをもう少し丁寧に。

・テンポをもう少しあげる。

 

<次回までの目標>

 ・左手を重点的に練習して、音の粒立ちをよくさせられるようにする。

・今のままの精度を保ちながら、テンポを110くらいまであげられるようにする。

 

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バッハ/シンフォニア5番

目標「譜読み~3声で音を外さずに弾けるところまでもっていく」

ちょっと判定が難しいのですが、装飾音なしで3声で弾けるところまではできましたが、装飾音つきではダメでした。装飾音つきでつっかえながら弾くよりはよかろう…と、今日のレッスンでは、装飾音ゼロの超簡易バージョン(?)を披露。

 先生「装飾音なしの段階で、曲の構造を掴んでおけば、装飾音をつけた後でも弾きやすいと思いますよ」と、言ってくださり、ホッ😅

 ・出だしはアウフタクトなので、息を吸う⇨楽譜にない一音を頭の中で鳴らしてから弾きだす、のイメージで。

・左手は淡々と、右手は歌わせる。

 

 <次回までの目標>

・装飾音をつけて弾けるようにする!とりあえずこれだけ。

 

シューマン /子供の情景より「木馬の騎士」 

「目標」

・後半の左手のミスタッチがなくなるまで練習する。→ミスタッチはだいぶ減ったと思うがまだまだ。

・右手と左手の音量バランスを完璧にする。→まだ右手が煩いような…(できてないかも?)

 

先生「前半はとても良いけど、それに比べてやっぱり後半が…右手が主導権を握っているように聴こえてしまうので、左手をもっと出して」

うーん、やっぱりダメか…

・後半、左手のパートはもっと肩からガバっと、鍵盤に向かう感じで。(今の私の弾き方は、腕だけでチマチマと弾いてるので流れを作りきれてないとのこと)

・右手のボリュームをもっと静かに!

肩と肩甲骨を使う…これは先生にもよく言われるし、Twitterのピアノ弾きさんの呟きとかでもよく流れてくるので、マスターしたい動きです。先生「冬は特に身体が縮こまってしまうので、ピアノ弾く前に肩とか回して準備体操するとよいかも^^」とのこと。これも指の筋肉をつけるのと同様、気長にやっていきたいです。

 

<次回までの目標>

・左手、肩と肩甲骨の動きを意識して弾く練習。

・引き続き、音量コントロール

・次の曲「むきになって」の譜読み→両手合わせて弾くところまで。

 

 

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ショパン/ノクターン 15番

 「目標」

・中盤を一息で弾けるようにする。→呼吸を意識して弾く癖がついた。

・後半、音を外さなくなるまで練習をする→ミスタッチは減ったが、まだ完璧でない。

・前半、ウナコルダをどのように使うか、試してみる→時間が足らずできなかった。

 

今回も、前半はその調子で問題なし、ということで、中盤~後半をじっくり見て頂きました。

・中盤のレ♭ードレ♭ド レ♭ミレ ドーファーファー、のメロディの部分、左手の3連符がいまいち乗り切れない感じ。(右手はOK)原因は左手の練習不足!だそうなので(見抜かれた)左手だけを30回くらいさらいましょう!とのこと。

・その後のシ♭ーラ♭ソ♭ ソ♭ーファー の部分、ここは「パーンと一気に視界が開ける感じで!」と言われる。何回か弾き直すけれど、いまいちつかめない。ここも、もっと肩甲骨を使って、と言われる。

あれ、そういえば、先生が忘れていたのか、ウナコルダの話は出なかったので、次回聞いてみようと思います^^(私も忘れていた)

 

<次回までの目標>

・中盤、左手をしつこく練習する。

・肩と肩甲骨の動きを意識して弾く練習をする。 

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 目標を設定して練習、を一週間やってみて…なかなか悪くない感じです。これまで、左手だけとかの部分練習はすぐに飽きてしまって10分ともたなかったりしたんですが、(で、結局好きな部分ばかり弾くとか)文字にすることでやはり抑止力になり、少しましになったかなと。といっても10分が15分になったぐらいの微々たるものですが^^;

ブログに書く手間は少しかかりますが、無理のない範囲で続けてみようと思います。

それから、少し前に発表会に出るかも?という話を書いたと思うのですが、こちらも先生と相談中です。来週か再来週にはどうするかを決める予定です!

 

  

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マリア・ジョアン・ピリス 2018年4月 来日公演情報追加(ピアノデュオリサイタル)

来月に迫ったM.J.ピリスの来日公演、曲目変更があったり、ソロリサイタルの追加公演が発生したりで招聘元さんも(さぞ)慌ただしかったことと存じますが、この度さらに、ピアノデュオリサイタルの追加公演が発表されました!(裏方さんがたのバタバタぶりを想像すると大丈夫かしら…ってなりますが、余計なお世話ですね^^;)大阪のソロ・リサイタルとN響公演以外は既に完売なので、この発表は嬉しい方もいらっしゃるのではと思います。(ついでに…スケジュールがタイトなのが気になりますが、ピリスさんは大丈夫なのでしょうか。杞憂に終わりますように…)

招聘元ミュージックプラントのHP→http://www.mplant.co.jp/concertm.html

 

※これまでに発表されたピリスの来日公演情報はこちらのエントリーにまとめています。↓

www.madeleine-piano.com

 

 

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マリア・ジョアン・ピリス&リリット・グリゴリアン ピアノリサイタル

2018年4月24日(火)19:00開演

会場:川口リリア・音楽ホール 

料金:全席指定6,000円(税込)

一般販売:2018年3月22日(木)

曲目【オール W.A.モーツァルト・プログラム】
4手のためのピアノ・ソナタ ハ長調 K19d
4手のためのピアノ・ソナタ ニ長調 K381/123a
ピアノ・ソナタ第17番 ニ長調 K576(グリゴリアン)
ピアノ・ソナタ第10番 ハ長調 K330/300h(ピリス)
4手のためのピアノ・ソナタ ハ長調 K.521

川口総合文化センター リリア|イベント情報

 

2018年4月26日(木)19:00開演

会場:浜離宮朝日ホール

料金:全席指定7,000円(税込)

一般販売:2018年3月22日(木)

曲目【オール W.A.モーツァルト・プログラム】
4手のためのピアノ・ソナタ ハ長調 K19d
4手のためのピアノ・ソナタ ニ長調 K381/123a
ピアノ・ソナタ第17番 ニ長調 K576(グリゴリアン)
ピアノ・ソナタ第10番 ハ長調 K330/300h(ピリス)
4手のためのピアノ・ソナタ ハ長調 K.521

浜離宮朝日ホール

 

チケットぴあ

 

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リリット・グリゴリアンさんとは?

プログラムはオール・モーツァルトとのことで、モーツァルト好きには堪らない公演かと…で、気になったのは、共演者のリリット・グリゴリアン(Lilit Grigoryan)さんというお方。女性ピアニストのようですが、失礼ながら、私はお名前を存じ上げず…ピリス氏と共演される以上、素晴らしい演奏者であることは間違いないとは思うのですが、気になったので調べてみました。

 

Introduction

Born in 1985 in Yerevan, Armenia, Lilit Grigoryan began studying piano at the age of seven with Arkuhi Harutyunyan. Other teachers to date have included Sergey Sarajyan, Abdel Rahman El Bacha and Matthias Kirschnereit. She was an ‘Artist in residence’ at the Chapelle Musicale Reine Elisabeth under the direction of Maria João Pires, after having graduated from Komitas Yerevan State Conservatory and Hochschule für Musik und Theater Rostock with first class honors. An intense and inspiring collaboration with Maria João Pires gave Lilit the opportunity to find new ways of communicating and sharing her passion for classical music with others, and she became a founding member of the Partitura Project.

Lilit has performed at many renowned concert halls across the world, including the Konzerthaus Berlin, Philharmonie (Essen), Laeizhalle (Hamburg), Concertgebouw (Amsterdam), Cité de la Musique (Paris), Bozar (Brussels), Flagey (Brussels), Palau de la Música Catalana (Barcelona) and festivals including Schleswig-Holstein, Mecklenburg-Vorpommern, Auvers-sur-Oise, Verbier, Gezeitenkonzerte and Menton. She has also worked with orchestras including Sinfonia Varsovia, Gulbenkian Orchestra, Royal Philharmonic Orchestra of Liege, Norddeutsche Philharmonie, and Armenian Philharmonic Orchestra. In addition to her activities as a soloist, Lilit is also a devoted chamber musician and she regularly collaborates with artists including Maria João Pires, Alexandra Conunova, Andrei Ionita, William Hagen, Sarah Christian, Hiyoli Togawa as well as others. 

Lilit’s debut CD was released in 2012 and featured works by Scarlatti, Schumann, Bartok and Khachaturian (DiscAuvers). She has subsequently released two chamber music recordings; the first with violinist Sarah Christian (Genuin Classics, 2017) and the second with violist Hiyoli Togawa (Naxos, 2018). Later this year her second solo album will be released and include works by Mendelssohn, Bizet and Szymanowski.

   (以下抄訳)

リリット・グリゴリアン(Lilit Grigoryan)

1985年 アルメニア生まれ。7歳よりArkuhi Harutyunyanの元でピアノを習い始める。他にSergey Sarajyan、Abdel Rahman El Bacha 、Matthias Kirschnereitに師事。 Komitas Yerevan State Conservatory とHochschule für Musik und Theater Rostockを主席で卒業後、マリア・ジョアン・ピリスに招かれ、Chapelle Musicale Reine Elisabethに2014~2015年に‘Artist in residence’ として在籍した。ピリスの薫陶を受け、以降コンツェルトハウスベルリン、コンセルトヘボウ等様々なホールで演奏、シンフォニア・ヴァルソヴィア等数々のオーケストラとも共演し、活動の幅を広げる。

ソリストとして活躍する他に、室内楽ではピリス、 Alexandra Conunova、Andrei Ionita,、William Hagen,、Sarah Christian、戸川ひより らと共演を重ねている。

2012年にスカルラッティ、シューマン、バルトーク、ハチャトゥリアンの録音でCDデビュー。その後は室内楽で2017年に Sarah Christian(Vn.)、2018年に戸川ひより(Vla.)と共演した録音を残している。

今後、2枚目のソロアルバムとしてメンデルスゾーン、ビゼー、シマノフスキの録音がリリースされる予定。

 ※‘Artist in residence’ 恐らく、奨学生のようなものかと思われます。同期に名前を連ねてる方の中に、パヴェル・コレスニコフ、深見まどかさん、小林海都さんがいらっしゃいますね!→Soloists 14/15 | Chapelle Musicale Reine Elisabeth

(引用元)http://www.askonasholt.co.uk/artists/lilit-grigoryan/

  

経歴を拝見する限り、ピリスとはかつては指導者-教え子の関係で、現在は共演者の仲、ということなので、息の合った演奏を聴かせて下さるのではないでしょうか?

 

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過去の演奏動画

お二人が連弾で共演した動画があったので、ご参考までに。

曲はモーツァルトが見つからず、シューベルトの「幻想曲 ヘ短調」。かなり好みの演奏です…^^

www.youtube.com

 

こちらもシューベルト、アレグロ イ短調 D947 「人生の嵐」プリモとセコンドが入れ替わってますが、こちらも素晴らしい。

www.youtube.com

 

ソロではどんな演奏をされるのかしら?ということで、こちらも。モーツァルトは見つからなくて、ベートーヴェンのピアノソナタ28番。柔らかい音が魅力的。

www.youtube.com

 

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追加ならソロリサイタルの方がよかった、と思われた方も中にはいらっしゃるかもしれませんが、ピリスとグリゴリアンの素晴らしい演奏を見る限り、デュオリサイタルもかなり気になり…ませんか?(少なくとも私は気になり…ます^^ 私がチケットを買ったサントリーホールの公演はオール・ベートーヴェンプロに変更になってしまったので余計に。ベートーヴェンも好きだから良いのですが、やっぱりモーツァルトも聴きたいなー、なんて^^;悩ましいことこの上なしです。)

 

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ショパン/バラード1番( 羽生結弦選手バージョン)

フィギュアスケートの羽生結弦選手が平昌オリンピックのショートプログラムで使用した楽曲、ということで、最近、にわかに熱い(?)ショパン/バラード1番

スケートには全く疎い私も、今回の演技を何回もテレビで見るたび、羽生選手の楽曲に寄り添った繊細なスケーティングに感銘を受け、そしてショパンのバラード、改めてめちゃくちゃいい曲じゃない!?って思えてきました。(今更感ありありですが^^;)

 

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クリスチャン・ツィメルマンの弾くバラード1番

羽生選手が使用したバラード1番、数多くのピアニストが弾いておられますが、プログラムに使用されたのはクリスチャン・ツィメルマンの演奏だそうです。

 ソース→Naxos Japanの公式ツイート

 

ツィメルマンの弾くバラード、とにかく端正、でも繊細さもあり、情緒も忘れない、バランスのとれた素晴らしい演奏。どこか羽生選手の演技と通ずるところがあるような…!?と思うのは私だけかしら。

 

www.youtube.com

 

 ちなみに、羽生選手特需、ということで CDが大売れらしいです^^;

www.sankei.com

これですね↓


ショパン:4つのバラード、幻想曲、舟歌

 

なぜ羽生選手はショパンの曲を選んだのか?ピアノ好きなら気になりますよね、ということでこちらの記事も貼っておきます。

www.nikkansports.com

 

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羽生選手バージョンのバラード1番

原曲をすでにご存知の方が羽生選手の演技を見ていて違和感を感じるであろうと思われることが一つ。それは、曲をかなり端折ってること。

ツィメルマンの演奏では9分強、それを3分強のプログラム用に短縮しいるので、仕方ないのでしょうが、せっかくここから盛り上がるよ〜ってところがブチッとカットされてたりするので、ムズムズしてしまうことしきり。

でも、何度か演技を見るうちに、羽生選手の自然な滑りに惹き込まれ、これはこれでいいかも?と思えてきました。そうなると、どこが端折られてるのか、気になるというのがピアノ弾きの性…?

で、バラードの楽譜買っちゃう?と思った矢先に、こちらを発見しました。

 

短縮バージョンの楽譜↓

『バラード第一番 』 ショパン・羽生結弦SPアレンジ 中上級 - Aki Music - - - ショパン 音楽&楽譜の投稿ダウンロード 同人音楽の森

 

さらに、この短縮バージョンの作者(編者)の方が、ご自分で弾かれてアップされた演奏動画もありました。

youtu.be

 

ツィメルマンの演奏にも引けをとらない、端正で大変素敵な演奏!というか、むしろ、この方の演奏の方がCDの編集より自然に聴こえます。

原曲はとても弾ける気がしませんが、短縮バージョンならなんとかなるかも?などと思っていまいました^^;

 

結局、どこが端折られてるのかは原曲の楽譜を見ないとわからないのですが、もしどなたかマニアの方が解析してくれたらとても嬉しいです^^;(人任せかい)

 

 買っちゃう?


パデレフスキ編 ショパン全集 III バラード

 

 

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2/21のレッスン〜 モシュコフスキー、バッハ、シューマン、ショパン

リュカ(・ドゥバルグ)君のコンサートの翌日がレッスンでした。

良いコンサートを聴いた後は、しばらく自分の(下手っぴいな)ピアノの音は聴きたくないのですが、そんなことも言ってるわけにもいかず、どこか心ここにあらず、な感じで教室へ…

 

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モシュコフスキー/20の小練習曲集より4番

練習はしましたが、あまり進歩していないような…

左手は少しはよくなっていると先生には言ってもらえましたが、右手の和音をもう少し響かせる、かつもっと豊かに歌わせる、ということで、その場で何回か弾き直し。

いちおう合格になりましたが、これで良いのかしら^^;

先生「また他の曲をやって戻ってきてもいいし、この曲集はサクサクやっていきましょう~」ということなので、次は5番をやります。

これも左手がちょこまか動く曲ですし、だんだん難しくなってきてます。

 

<次回までの目標>

5番、音をさらって、なるべくミスタッチなく弾けるようにしておく。

 

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バッハ/シンフォニア14番

右手の小指に精一杯、神経を払い、ソプラノを際立たせるように弾きました。

先生「とても良くなってますよ^^」ということでしたが、欲を言えば

・後半、左手の歌い方が少し雑なので、もう少し意識を向けて丁寧に

というわけで、そこを意識してその場でもう一度弾きます。

めでたく合格になりました!

残るシンフォニア、5番と15番の2曲なのですが、15番を最後にやって綺麗に?終わらせたかったので、次は5番をやります。なんとなく符点のリズムと装飾音が苦手な感じで、後回しにしてた曲についに向き合う時が…^^;

 

 <次回までの目標>

・5番、譜読み~3声で音を外さずに弾けるところまでもっていく。

 

シューマン /子供の情景より「木馬の騎士」

軽やかな3拍子、を心がけて弾くも、後半左手をはずしまくる…(冷や汗)

バロックダンス動画を見た成果か、先生には「3拍子感、よくなってます」と言っていただけました。

 ・右手がうるさすぎて左手のメロディラインが聴こえないので、音量配分を左右逆に。

(特に後半)

その場で何度が弾き直して、音量調節の感覚をつかむが、やはり左手のオクターブがミスタッチばかりで綺麗にハマらない。

そこだけ気になるので、次回、もう1回やって終わりにしましょう!ということに。余裕があれば次の曲「むきになって」も見てきてね、と言われましたが、たぶんない…(笑)

 

<次回までの目標>

・後半の左手のミスタッチがなくなるまで練習する。

・右手と左手の音量バランスを完璧にする。

 

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ショパン/ノクターン 15番

 前半~中盤はだいぶスムーズに弾けるようになりましたが、終盤がまだまだ練習不足で音を外してしまいした。

先生「前半はとってもいいですねー。中盤(前回、大注意を受けたところ)もOKですが…後半もちゃんと練習してきてね」←ですよね、すいません。

・前半はテンポもルバートのかけ方もいい感じなので、左ペダル(ウナコルダ)を使って、同じフレーズをくり返す部分は音色を変えてみましょう(なんだか、一気に上級者感が!)

 

今回のメインは、中盤のクライマックスの部分(58~74小節目)をどう弾くか、ということ。ここ、とにかくドラマチックでショパンらしさが満載、弾いていてグッとくる部分です。

f:id:madeleine-piano:20180226141039j:plain

 赤丸をつけた部分(71小節目)がこの曲のピークなのですが、ここは4回転ジャンプを跳ぶつもりで思い切って弾いて!と先生がおっしゃいました(笑)←もしかして、先生はスケート好き?(後で訊ねたら、スケ〇タまではいきませんが、なかなかのコアなファンのご様子でした^^)

で、4回転ジャンプ、跳ぶには踏み切りが必要だし、それまでに助走が必要だし、もちろん助走の途中で休めないよね?ということで、58小節目~ここまで、一息で弾くのが望ましいそうです。

私は今まで1フレーズごとに呼吸を入れながら弾いてたので、ここの長~いシークエンスを一息で、というのは新しい発見でした。(ちなみに、ジャンプ後はフェルマータのところまではそのまま息を続けて、フェルマータでやっと終了、というのが一連の流れです。長い…ショパンのフレーズはとにかく長い、というのがよくわかりました。)

 

今日はここの部分を何回か弾き直し、呼吸を身体に覚えこませました。

 

 <次回までの目標>

・中盤を一息で弾けるようにする。

・後半、音を外さなくなるまで練習をする。

・前半、ウナコルダをどのように使うか、試してみる。

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さて、ブログに書いてある自分の練習記録を読み返してみて、 気づいたことがあります。

毎回、「練習、頑張る」と書いて締めくくっているのですが、その割には、練習できてないなと。というか、練習はしている(ピアノには向かっている)けれど、その割に、先生から言われたことが一週間で改善できていないことが多い気がします。(最後までとうとう改善できずに、そのまま終了になったことも…)

なぜか…自分では認めたくないけれど、できてない、弾けてない部分の練習が不足しているからです。たぶん、弾ける部分の練習量が1だとしたら、対して、10倍くらいは練習しないといけないんじゃないかと思うのですが、実際は3倍くらいしか練習できてない。でも、時間だけはそれなりにかけているので、「頑張った」気になってしまっている。というか、「頑張る」という目標は達成できた、ことになっている…

この頑張る、という言葉、もしかして意味がないんじゃないかと…?

「頑張る」って言ってるときは気持ちがいいんですけどね^^;(自分で言ってて、耳が痛い)

で、どうするか。

もっと具体的に、~する、という言葉に言い換えた方がいいかもしれない、なんて思ったので、今回はあえて「頑張る」、とは書かず、<次回までの目標>という項目を作って、やることを具体的に書き出してみました。こうやって書いてしまえば、逃げられないし、練習の際のリマインダーになるかなと。(つい、弾ける部分だけ楽しく弾きたくなる気持ちを押さえ込むためにも)

次週、<目標>が達成できたか、というチェックも合わせてしたいと思っています^^

 

  

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