まどれーぬの音楽帳

クラシック音楽(主にピアノ曲)が好きな主婦です。好きな曲、好きなピアニスト、再開したピアノレッスンのこと、コンサートの感想などを気ままに綴ります。

3/3 藤田真央ピアノリサイタル@東京女子大学 講堂

(少し前のコンサートですが、忙しさにかまけてるうちに時が過ぎてしまいました。今更ながら感想をアップします^^;)

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 東京女子大学創立100周年記念のチャリティコンサートだそうで、主催は東京女子大学の同窓会。藤田真央君はTwitterのTLで知ったピアニストなのですが、1998年生まれということでまだ20歳(19歳?)という若さ。実はわたし、この方の演奏は去年の6月にベーゼンドルファーサロンの無料コンサートで拝聴したのですが、そのときはいまいちピンとこず…(ちなみにこれ→東京音楽大学プロデュース ランチタイムコンサートVol.51 « ベーゼンドルファー・ジャパン)ベーゼンドルファーの音色とその時の曲目の相性がいまいちに感じたのと、小さいサロンで聴くには彼のピアノはダイナミックすぎたのかなと^^; その後8月のクララ・ハスキル国際ピアノコンクールで優勝され、Twitterでも相変わらず大絶賛されている彼、やっぱりいつかちゃんとした形で再聴できれば、と思っていたのでこの機会を逃さず聴くことに。

 

✩プログラム✩

モーツァルト:ピアノソナタ 第8番 K.310
ショパン:ポロネーズ 第6番 変イ長調「英雄」Op.53
リスト:ハンガリー狂詩曲 第2番 嬰ハ短調

(休憩)

ショパン:アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズOp.22

ショパン:ピアノソナタ 第3番 ロ短調 Op.58

 

<アンコール>

ショパン:マズルカ33-4

モーツァルト:トルコ行進曲(ヴォロドス編)

ムソルグスキー:「展覧会の絵」から キエフの大門

 

 事前に確定していた曲目は「英雄」と「ハンガリー狂詩曲」だけだったので、当日の会場で、モーツァルトのK310がプログラムが入っていると知り狂喜しましたよ^^(この短調のソナタを実演で聴くのは初めてかも!)

 

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モーツァルト

 最初のフレーズでノックアウト…美しい、まさに玉を転がすような、これぞモーツァルト、という音。8番のこのソナタは前のめり気味に弾く人もいるんですが、この方はどこまでも端正で丁寧な演奏。音の粒の揃い方だけで背筋がゾクゾクしてしまいました…2楽章の情感を込めた表現、3楽章の音色の使い分け方にも、これは「本物だ」と確信。この曲だけで、前回、いまいち…とか思ってしまって大変申し訳のうございました…と地面にひれ伏したくなりました 笑 

 

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ショパンとリスト

ショパンの「英雄」、やはり音が美しく、難曲だということを全く感じさせない安定感と余裕。複雑な和音の合間にふっと出てくる柔らかい音に何度も耳を澄ませたくなりました。「ハンガリー狂詩曲」は正直に、それほど得意な曲ではないのですが、歌わせ方が自然で、特に高音域での弱音の美しさが素晴らしかった。(高音がキンキンうるさいピアノは本当に苦手なのです^^;)

「アンダンテスピアナート…」ではポロネーズのリズム感と軽々と歌う右手に何度もはっとなり(簡単そうに弾いてるけどめちゃ難しいんだよね?)「ピアノソナタ3番」の4楽章では左手のなんともいえないドライブ感に心地よく身を委ねることができました。

アンコールでは、マズルカの叙情性と、超絶トルコ行進曲のギャップにびっくり。どんな技巧曲でも音の美しさは変わらず。脱帽。

 

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 雑感

音の綺麗さ、音の積み上げ方の丁寧さ、そしてあまりに自然なので、本能でやってるのかな?と思わせる音色の絶妙なトーンの変化…すべてが桁外れの才能、だと感じました。故中村紘子さんが彼を絶賛した理由ももちろん分かるし、特に彼女は若い才能を好んでいた、というのも分かる気がしました。この年齢で、単に弾けるとか上手い、という次元よりはるか先を歩んでいる演奏を目の当たりにすると、持って生まれた才能の量の違いを意識せざるを得ないなと…(残酷な話ですが)。正直に、この方の演奏ならどんな曲でも聴いてみたい、と思わされてしまいました。

今日のピアノはスタインウェイで、ホールの音の広がり方も素晴らしく、前から2列目でしたがffになってもピアノが煩い、と感じることは全くありませんでした。前回とまるで違う印象の音だったのはピアノの種類ももちろんですが、どんなホールで聴くかにもよるな…と自分で新たなこだわり?を見つけてしまったようでぞっとしてしまったのです^^;

蛇足ですが、藤田君のキャラクターもいいですよね。ニコニコと、まるで福の神のようなオーラを漂わせながら舞台上に登場するのですが、ピアノを弾き出すと別人のようになるのが面白いなと。

最新インタビューがなかなか面白かったので貼っておきます。↓

www.hcf.or.jp

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↑会場となった講堂。

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↑園遊会…?(同行したOGの義母に訊ねたら、茶話会的なものらしい)

 

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